講師紹介

アーティストやデザイナーから、経営者や弁護士まで。
第一線で活躍し、現場を知るプロフェッショナルたちにプロジェクト実現のためのノウハウを学ぶことができます。

池田 晶紀(写真家)

写真の授業を担当させていただきます。
「いい写真」って、どういうことなんだろうか?
「伝わる写真」って、どう考えればいいのだろうか?
そういった実用的なこと実戦する時間をつくります。
写真をむずかしくしない問題解決を目指します。

1999年、自ら運営する「ドラックアウトスタジオ」で発表活動をはじめる。2003年よりポートレイト・シリーズ『休日の写真館』を制作・発表。2006年写真事務所「ゆかい」設立。2010年スタジオを馬喰町へ移転し、「ドラックアウトスタジオ」の名で運営を開始。

※東京のみ

桶田 大介(弁護士/牛鳴坂法律事務所)

法律や契約は「つながり」を整理して社会的に位置づけ、成果を糧に新たな創造を行うための手段。プロジェクトを立ち上げ、実行し、その成果から「つながり」を実現するにはどうすればよいか。法律や契約から「視点」や「気づき」のヒントをお伝えします。

2005年弁護士登録。2010年、ロンドン大学クイーン・メアリー校LL.M終了。2008年より日本アニメーター・演出協会の活動にプロボノで参加。文化庁や経済産業省のアニメやマンガ関連事業に従事。立法や行政におけるアニメやマンガ等に関わる種々の取り組みに携わる。

小田嶋 Alex 太輔(株式会社EDGEof 代表取締役Co-CEO)

クラウドファンディングやICOといった新たな資金調達の手法を、芸術活動の資金調達としてどう活用するか。そして、芸術活動に事業性を持たせ継続性を高めるためにはどういった発想が必要となるかについて、お話ができればと思っています。

事業立ち上げに特化したコンサルタントとして、さまざまなスタートアップの設立や大企業の新規事業構築に携わる。共同代表を務めるEDGEofでは、クリエーターや起業家、研究者などが連携して事業創造に取り組み、イノベーションを加速するためのプラットフォームを展開している。

加治屋 健司(美術史家/東京大学大学院総合文化研究科准教授)

アートプロジェクトのさまざまな事例を取り上げながら、歴史的な文脈や言葉、そこから生まれた特徴や課題についてお話しします。プロジェクトを行う上で、歴史や言説とどのように関わればいいのか? 考えるための手助けになればと思います。

1971年生まれ。東京大学教養学部卒業。ニューヨーク大学大学院美術研究所博士課程修了。PhD(美術史)。日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ代表。著書に『アンフォルム化するモダニズム カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』(東京大学出版会、近刊)などがある。

佐藤 直樹(グラフィックデザイナー/デザインディレクター/絵画制作)

今はデザインが大きく変化するタイミングですが、これからの時代に即したデザインの運動はまだ明確な姿を現していません。ARTS PROJECT SCHOOLはこれからの社会のための実験場となり、新しい価値観とデザインの指標を示すべきでしょう。

1998年、アジール・デザイン(現アジール)設立。2003〜10年「セントラルイースト東京(CET)」プロデュース。2010年「3331 Arts Chiyoda」立ち上げに参画。サンフランシスコ近代美術館パーマネントコレクションほか国内外で受賞多数。美学校講師。多摩美術大学教授。

※東京のみ

清水 義次(都市・地域再生プロデューサー)

地域資源を組み合わせて課題解決するプロセスをチームでつくり出していく。まちで生活している人たちに敬意を払い、地元に溶け込み、動きながら考える。温かい心と志、ソロバンを併せ持つプロジェクトリーダーが生まれることを期待する。

3331 Arts Chiyoda代表、株式会社アフタヌーンソサエティ代表取締役。都市生活者の潜在意識の変化に根ざした都市・地域再生プロデュースを行う。なかでも現代版家守(やもり)業の実践と啓蒙に注力し、リノベーションまちづくりに取り組む。

紫牟田 伸子(編集家/プロジェクトエディター/デザインプロデューサー)

まちは人々がつくるものだ。その地域ならではの文化的価値は人の中に残っていくものだから、今、そしてこれから行うプロジェクトが、次世代の地域文化を形成するきっかけになるはずだ。人の心にデリバリーできるプロジェクトについて考えてみたい。

美術出版社、日本デザインセンターを経て、2011年に独立。“ものごとの編集”を軸に地域や企業の商品開発、ブランディング、コミュニケーション戦略などに携わる。主な著書に『シビックエコノミー:私たちが小さな経済を生み出す方法』(フィルムアート社)など多数。

田中 元子(株式会社グランドレベル 代表取締役社長/建築コミュニケーター)

人とのつながりは、魔法でも絶対善でもありません。ただ、それによって広がる可能性は計り知れません。つながりを紡ぐためには、自分に何ができるだろうか? 楽しみながら、悩みながら、一緒に探していきましょう。

2004年、クリエイティブユニット「mosaki」を共同設立。2016年に“1階づくりはまちづくり”をモットーとした株式会社グランドレベルを設立。2018年、墨田区に現代版喫茶店「喫茶ランドリー」をオープン。主な著書に『マイパブリックとグランドレベル —今日からはじめるまちづくり』(晶文社)など。

※東京のみ

塚本 由晴(建築家/アトリエ・ワン/東京工業大学大学院教授)

産業社会的連関に飲み込まれた私たちの暮らしは、産業や制度が下敷きにしている想定に慣らされ、それが許す範囲に条件づけられていないだろうか。そこに風穴を開けるべく、脱産業的な建築を考えることが今の私にとってはプロジェクトなのかもしれません。

1965年神奈川生まれ。貝島桃代と1992年にアトリエ・ワンの活動を始め、建築、公共空間、家具の設計、フィールドサーベイ、教育、美術展への出展、展覧会キュレーション、執筆など幅広い活動を展開。ふるまい学を提唱し、建築を産業の側から人々や地域に引き戻そうとしている。

遠山 正道(株式会社スマイルズ 代表取締役社長)

われわれスマイルズは「妄想と実業が得意です」なんて言っている。文化芸術に二本の足を生やして、どっしり両足で立つ。泣いたり笑ったり踊ったり、たまには小走りに逃げきったり。そんな人に私もなりたい。そんな人と友達になりたい。

2000年株式会社スマイルズを設立、代表取締役社長に就任。“生活価値の拡充”を企業理念に掲げ、現代の新しい生活の在り方を提案し、「Soup Stock Tokyo」「giraffe」「PASS THE BATON」「100本のスプーン」等を展開。

中村 政人(アーティスト)

与えられたことからはじめるばかりでは、依存する状況から逃れられない。予算がないからできないではなく、予算をつくるところからはじめる。環境をつくるところから始めればやれることが自ずと見えてくる。

3331 Arts Chiyoda統括ディレクター。東京藝術大学絵画科教授。第49回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2002年)日本代表。1998年よりアーティストイニシアティブコマンドN主宰。2010年にアートセンター「3331 Arts Chiyoda」を立ち上げる。

※東京のみ

日比野 克彦(アーティスト/東京藝術大学教授)

“私”という個人と“他者”との関係性から制作の動機が生まれ、私的な行為に他者からの共感が生まれていく先に、プロジェクトに変容するものもある。最初から“プロジェクト”ではじまることは少なく、個人での制作が根本にあるという意識があります。

1982年日本グラフィック展大賞受賞。平成27年度芸術選奨文部科学大臣賞(芸術振興部門)。現在、東京藝術大学美術学部長、先端芸術表現科教授。岐阜県美術館長、日本サッカー協会社会貢献委員会委員長、東京都芸術文化評議会 専門委員、公益財団法人 日本交通文化協会理事を務める。

※東京のみ

福住 廉(美術評論家)

アーツプロジェクトを評価するための言葉は残念ながら成熟していません。アーツプロジェクトが「地域」を舞台にしている一方、これまでの批評言語は依然として「アート」にとどまっているからです。アーツプロジェクトに相応しい新しい批評言語とは? 実践的に考えましょう。

著書に『今日の限界芸術』(BankART 1929)他多数。『共同通信』で毎月展評を連載する一方、『今日の限界芸術百選』(まつだい「農舞台」/2015)など展覧会キュレーションも手がける。東京藝術大学大学院、女子美術大学、多摩美術大学、横浜市立大学非常勤講師。

山出 淳也(NPO法人 BEPPU PROJECT 代表理事/アーティスト)

地域で継続的に活動を続けていくためには、ビジョンを持ち、どのように地域が変わっていくのかを考え、変化を起こすことが大切。必要となるのは物事を俯瞰して見る力、つなげていく力、継続させていく力。未来へどのように活動を紡いでいくか。共に考えましょう!

2005年BEPPU PROJECT設立。別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」(2009~15)、「in BEPPU」(2016~)等、 文化を軸に地域性を活かした活動を展開。平成20年度 芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞(芸術振興部門)、文化庁 文化政策部会 文化審議会委員。

山内 真理(公認会計士/税理士)

プロジェクトを仕掛け、育むということは関係性のなかで責任を引き受けるということでもあります。会計はプロジェクトの経済的アーカイブを提供し、課題を可視化し、未来への地図を具現化するもの。プロジェクトを推進する道具としての会計の使い方や各種制度について考察します。

公認会計士山内真理事務所代表。有限責任監査法人トーマツにて法定監査やIPO支援等に従事した後、2011年にアートやカルチャーを専門領域とする会計事務所を設立。共著に『クリエイターの渡世術 20組が語るやりたいの叶え方』(ワークスコーポレーション)など。

山崎 亮(コミュニティデザイナー)

興味深い地域づくりが進むエリアには初期段階でアーティストが関わっている。そして、こうしたプロジェクトが進展する際には、アーティストと地域の住民や産業がうまく協働している。今回の講座は、アートとコミュニティと産業のうまい協働を実践的に学べる場になるだろう。

studio-L代表。コミュニティデザイナー。社会福祉士。建築・ランドスケープ設計事務所を経て、2005年にstudio-Lを設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。著書に『ふるさとを元気にする仕事』(ちくまプリマー新書)など。

鷲田 めるろ(キュレーター)

誰が誰に向けてプロジェクトを行なうのか。「地域」とはどの範囲を指すのか。「伝統」のオーセンティシティは誰が決めるのか。一見自明のようでいて、プロジェクトを進めていくと、わからなくなってくるこうした問題について考えたい。

1999年から2018年3月まで金沢21世紀美術館キュレーター。「あいちトリエンナーレ 2019」キュレーター。「瀬戸内国際芸術祭 2019」アーティスト選考アドバイザリーボード委員。的|芸術中心(北京)学術委員。金沢大学、金沢美術工芸大学非常勤講師。